B−SKETのセッションは思考の原点[採択企業インタビュー]
このブログでは現在進行しているアクセラレータープログラム「B-SKET」についてや、採択企業のリアルな声をお届けしたいと思います。
B-SKETとは何か
2018年に始まったSaaS領域スタートアップ向けのアクセラレータープログラムです。 実践的なメンタリング/事業開発サポートを通じて、事業価値を最大限に高めることを目的として採択企業にメンタリングやセッション (メンターによる講義)を通じて提供します。 今回で4回目となるB-SKET(B-SKET Batch 4)、採択企業5社(※1)は約16週間の中で合計24個のセッションを受け、事業価値の最大化に臨みます。
(※1)採択企業5社:LiveYourDreams株式会社・Engo株式会社・株式会社STANDS・パートナーサクセス株式会社・株式会社batton
過去2回に渡りLiveYourDreamsさん、EngoさんよりB-SKETプログラムについて語っていただきました。今回も採択企業5社の中の1社、株式会社STANDSの代表取締役CEO・露木諒氏に弊社代表秋山がインタビューをさせていただきました。
株式会社STANDS 代表取締役 CEO 露木 諒
東京都出身。慶應義塾大学・環境情報学部卒。卒業後、動画配信のB2B SaaSを展開する株式会社PLAYに入社。エンジニア/セールス/PdMなど、ビジネスとテックを横断的に経験する。
また、在職中に早稲田大学大学院・商学研究科MBAを卒業。2018年9月に同僚の藤原氏(現COO)とともに株式会社STANDSを創業する。前職での課題感から「テクノロジーで愛されるサービスを増やす」をビジョンに、カスタマーサクセス向けの B2B SaaS「Onboarding」を開発、運営する。
伸びないわけにはいかないと思わされる充実度
秋山:本日は宜しくお願いします。早速ですが、B-SKETプログラムを受けてみていかがですか?
露木氏:田所さんやメンターが密にサポートしてくれるので、いい意味で驚きがありました。
会社を2018年に作ってから、アクセラレータープログラム(以下、アクセラ)の参加は初めてでした。友人から他のアクセラの話は聞いていましたが、プログラム自体に対する想定、具体的なイメージというものがないまま、採択していただきました。
実際にプログラムが始まってみると、月に3回の個別メンタリング、毎週行われるテーマごとのセッション、これらを無料で提供していただいて、自分自身「伸びないわけにはいかない」という感覚ですね(笑)
チームが底上げされる
秋山:プログラムを通じて、どんな学びがありましたか?
露木氏:3つありまして、1つ目は田所さんからの「起業家は見たいものしか見ない」という言葉によるたくさんの気付きです。メンタリングを受ける前は、自分たちの進む方向が見えていたつもりでしたが、それはあくまで見たいのを見ていただけだとわかりました。田所さんのセッションを通して、それらの間違いがあぶり出されたのはとても大きいですね。
2つ目は組織の底上げです。カスタマーサクセスやマーケティング、組織作りや資金調達などの実務に踏み込んだアドバイスをいただいたことで、計画や行動が具体化されて、組織が底上げされているのを感じます。
3つ目は、B-SKET同期の会社と刺激しあえる環境です。B-SKETプログラムを受ける前にも相談する起業家やスタートアップの方はいましたが、同じ企業のフェーズ、状況で相談し合える仲間はいませんでした。
なので、同じフェーズ・立場の人と生々しい相談が出来るのが心強いですね。また、話していく中で負けられないなとモチベーションが上がるので、とても良い刺激になっています。
秋山:生々しい相談というのはどの様な話をするのですか?
露木氏:チームをどのようにして作っていくのかのアドバイスをLiveYourDreams(以下、LYD)の河崎さんに相談しました。LYDさんはしっかりとチームも出来上がっているので、これから作っていく私たちにとっては参考になる部分が多かったです。具体的には、今すごく採用したい方がいるのですが、どの様に口説きにいけば良いのかなど、生々しいアドバイスを頂きました。
もし相談をしていなかったら解決しなかっただろうという部分もあるので、素直に相談してよかったと思っています。
同じ目線の大切さを認識した
秋山:チーム作りという話がありましたが、プログラムを通じてチーム内で何か変化は起こりましたか?
露木氏:チームの目線に大きな変化がありました。
田所さんがよく使うプロットの図(※2)で、採用やセールスなどの課題をあぶり出し、どう実行していうかというワークをした際、「同じ目線見れてますか?」と田所さんに言われて、ドギマギしました。
(※2)田所が実際にセッションで使用した図(通称:バランススコアカード)
露木氏:MRRやバリエーションの向上などをプロットしても、“なぜ”そこに向かうのかをチームが同じ目線で進んでいない事に気づかされました。
ミッション・ビジョン・バリューの様な価値観を言語化出来ていなかったり、「自分は何を求められているのだろう」とメンバーから声が上がったりしており、そもそも同じ目線って何かということも言語化も出来てなかった為、まずはミッションを策定しようと思いました。
今は「愛されるサービスをテクノロジーによって増やしていく」という事をビジョンに掲げ、お客さんのプロダクトがユーザーに愛される事によって、LTVも上がって収益性も上がる仕組みなので、そのビジョンを目指す為、個々のタスクがあると説明しやすくなりました。その結果チームの目線が揃い、よりスピーディに前に進めるようになりました。
秋山:自分たちの役割をお互いが認識し、非言語化コミュニケーションを減らしていくのは事業において結構重要だなと思いますね。
バランス良く入っているアクセラレーター
秋山:どの様な企業がB-SKETに向いていると思いますか?
露木氏:BtoBのSaaS事業をされている方、全員に当てはまるんじゃないかなと思いますね(笑)
アクセラは色々な種類があると思います。主にお金を提供するとか、ネットワークを提供するとか、提供するものが何かに特化しているプログラムが多い印象です。でも、B−SKETは全部入っているイメージですね。かつ、ノウハウとか理論とか可視化して教えていただけますし、ネットワークや事業機会もある。すべてをバランスよく提供しているアクセラだと思います。
自分たちを客観的に見ながらも、全力でサポートしてくれるメンターのありがたさも感じています。
セッションは原点回帰できる場所
秋山:これまでに、最も印象深かった出来事はなんですか??
露木氏:秋山さんや五十嵐さん(※3)の組織作りで失敗した話は印象深かったです。成功している経営者の皆さんが、組織作りで失敗しても、投資する必要性があると気付かされました。失敗する前にそういう部分を先に知れたのは良かったですね。
メンターの方々のセッションは、戻る場所があるというか、考えをリセット出来ます。その時は経験してない事でも、課題にぶつかった際に、あの時の話ってここで使えるのかと。何をすれば良いか迷っているときが苦痛だと思います。しかし、やるべき事が見えていれば苦痛ではないです。成功しているあの人もこういう事で悩んでた、誰でも通る道なんだって原点回帰できます。
秋山:成功してる人ほど、悩みの質がどんどん変わっているんですよね。今ここで習っている事って理論だけなので、プログラム内容をどう活用するかは自分たち次第だと思います。
露木氏:そうですね。採択された時点では分かってなかった、このフェーズで自分が今必要なことは何なのかという事が、分かるようになりました。
中間DemoDay(7月末に行った、採択企業の中間成果発表会)終えて、同期の発表をみてそれぞれプログラムを事業に活かしているなと感じ、よりもっとプログラム内容を自分のものにしたいと思いました。
秋山:プログラムで伝えている経験とか理論を存分に活用して、繰り返していく事によって、事業のスピードを上げて欲しいなと思います。それで成功する事業者・起業家が増えていけば、国益に敵うと思っているので、B−SKETはゆくゆくその様な場所にしていきたいと思っていますね。
本日はありがとうございました。Demo Day楽しみにしております!
(※3)株式会社クロス・マーケティンググループ 代表取締役社長兼CEO 五十嵐 幹氏
サービス概要:株式会社STANDS「Onboarding(オンボーディング)」
Onboardingは、ソフトウェアの画面上にガイドやポップアップを表示させ、「ユーザが自然と使いこなす」体験へ変革するSaaSです。また、ターゲットごとに表示を最適化、データによる利用状況分析と改善を行うことができます。これらを通じて、 「①ユーザが定着するコストの低下」「②ユーザの機能利用を促進し、LTV ※1 向上の機会を創出」という2つの価値を提供します。
※1 LTV:Life Time Valueの略。顧客が生涯を通して企業に与える利益のこと。
2021/6/4(金)にDemo Dayを開催
2021年に採択された5社が2021/6/4(金) 19:00より開催のDemo Dayにて成果発表を行います。そして、その観覧者の募集を先日開始させて頂きました!
B-SKETdemo参加申し込みはこちらから
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
私のパートでは、次回も引き続き採択企業のインタビューを公開して参ります!